整形外科、小児科、リハビリテーション科、リウマチ科、麻酔科、放射線科、外科

 Q&A こどもの発熱

Q.1 体温何度からが発熱ですか?

A.1 普通は、腋窩(わきの下)で37.5℃以上を発熱と言います。38.5℃以上は高体温、35.0℃未満は低体温と言います。または健康で安静にしている時の体温を何回か測っておき、その子の普段の体温(平熱)を知っておきましょう。平熱から1℃以上高ければ発熱としてもいいでしょう。

 体温は、室温、衣服の量、食事前後、活動によっても変ってきます。37.5℃以上の体温が出ても、元気にされているならば、もう一度時間をあけてから測ってみましょう。落ち着いたら、体温が下がっていることもあります。

 体温の測り方:腋窩(わきの下)の汗を拭いて、体温計の先端部が腋窩(わきの下)の真ん中にあるようにはさみ、腕を体に密着させます。測っている間は、じっと静かにしているように、お子さんを抱っこしたり、寄り添ってあげたりしましょう。

 

Q.2 高熱で頭がおかしくなるって本当ですか?

A.2 子どもでは、高熱の時に、視線が合わずにボーッとしたり、訳の分からないことを言ったり、見えない物が見えると言ったりといった『熱せん妄』が一時的にみられることがあります。そのこと自体は脳に影響はありません。また熱性けいれん(ひきつけ)を起こすこともありますが、短時間で単独のものであれば、脳に影響を与えません。

 では高熱が脳に影響するのはどんな場合なのでしょうか?

脳炎、髄膜炎などの病気で脳自体が障害される場合や、高度の熱中症(熱射病)、特殊なお薬や麻酔などにより41℃以上の高体温になる場合では、体温中枢が障害されるため高熱になり、病気の程度や対応によって脳に影響が及ぶことがあります。これらの場合には意識障害が長時間続いたり、けいれんも治まりにくく、繰り返し起こしたりします。

 発熱は、ウイルスや細菌の感染に対して、自ら体温設定を高くして免疫力を高めるという、人類が先祖代々行ってきた防衛戦略です。ですから、高熱があっても、顔色が良く、機嫌も良く、経口補水液や小児用イオン飲料などの水分を飲めていればそんなに慌てなくても良いでしょう。

 

Q.3 発熱している時の生活で注意することは?

A.3 熱が上がりかけのガクガク震えている時には、冷やさず、解熱剤も使わず、身体を毛布やシーツなどで包んであげましょう。そして熱が上がりきってフウフウ暑がっている時には、薄着にして、身体を冷やしてあげましょう。身体を冷やす場合には、氷枕や、保冷剤を首筋、脇の下、手のひらなどに接触させて冷やしてあげましょう。おでこを冷やすのは、気持ちはいいですが、体温はさがりません。熱があっても機嫌よくしていれば氷枕などは要りません。

シート型の貼付型冷却剤(冷えピタシート、熱さまシートなど)には、ほとんど体温を下げる効果はありませんが、貼った場所の冷感効果はあるので本人が気持ち良ければ使用してもかまいません。気持ち良いと表現できない乳児には使用しない方が良いでしょう。また冷感シートは外に出ていないと効果がなく、服を着た状態で脇の下などに貼ったのでは冷感効果はありません。

 

Q.4 発熱した時の食事はどんなものが良いですか?

A.4 食欲があり、下痢もしていなければ、いつも通りの食事でかまいません。食欲が低下している場合は、水分、塩分、炭水化物を目標にして、無理せずにゼリー状の食品、おかゆなどを試してください。ただし、おかゆにこだわる必要はなく、好きなものを少量だけ食べて、スープ類を多く摂るようにしてもいいでしょう。

一般にスポーツ飲料と呼ばれる飲み物は、甘すぎで塩分が薄くて腸からの吸収が悪く、お勧めできませんが、何も飲まないよりは飲んだ方がましですので飲ませて下さい。OS-1、アクアライトORS、ソリタ顆粒の溶解液など経口補水液が理想的ですが、嫌がるならば無理せず、飲める種類の水分を飲ませて、塩飴や塩熱タブレットを摂らせる、または味噌汁や麺類のスープなどで塩分を補うようにしましょう。

 

Q.5 解熱剤はどのタイミングで使うのですか?

A.5 熱の出始めで、身体がガクガク震えている時には、解熱剤は使用しないでください。細菌やウイルスに対しての防衛反応として、身体が体温を上げようとしている努力の足を引っ張る事になります。熱が上がりきって、2,3時間は様子をみましょう。熱があっても、機嫌が良く、水分も飲めていている、変わりなく眠れている場合には、解熱剤は不要です。また生後6ヶ月未満の乳児では、効きすぎて低体温を起こす可能性があり使用しない方がいいでしょう。ただし、熱性けいれん予防のダイアップ坐薬を処方されている場合は、発熱に気付いたらすぐに使用して下さい。

 38.5℃以上の高体温で、頭痛、筋肉痛、耳痛、食欲低下、眠られないなど、生活リズムを乱すような状況がある場合には、苦痛を取り除いてあげるために解熱剤を使用してもいいでしょう。体温が38.5℃以上だから解熱剤を使用しなければならないという訳ではありません。

 解熱剤の使用は、6時間は間隔を開けて、1日におよそ3回までにしましょう。解熱剤の効果は、一時しのぎにすぎません。6時間もすれば、また体温は上がってきます。成人に処方される解熱剤(ロキソプロフェン、アスピリン、P Lなど)は、小児での安全性が確認されておらず、決して小児に使用してはいけません。アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ、アルピニー坐薬など)だけは安全性が確かめられており、体重に対して適量であれば使用できます。

高熱の場合には、解熱剤を使用してもあまり体温が下がらないこともあります。体温が下がらないからといって、短時間で複数回の解熱剤を使用するのは避けましょう。ご心配であれば、小児救急指定病院での診察を受けて下さい。

 

Q.6 発熱の治療で大事なことは何ですか?

A.6 発熱の原因を明らかにして、その原因にあった治療、対応をすることです。

いわゆる風邪の発熱が最も多いのですが、最初は風邪と思われても時間の経過とともに原因が明らかになることがあります。インフルエンザなどの抗原検査も発熱した直後は、感染していても陽性とならず、翌日以降にやっと陽性になることが多いです。薬を飲んでいるのに2日以上発熱が続く場合や、新たな症状が加わってきた場合には、すでに診察を受けていても、もう一度診察が必要です。不安な時には、再診をためらわないで下さい。

また生後4ヶ月未満の乳児の発熱では、重症の感染症の可能性や、感染症の進行が速い場合もあり、早急に医療機関を受診されることをお勧めします。

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